2026年(令和8年)5月25日、公認会計士・監査審査会より、令和9年度(2027年度)公認会計士試験の短答式試験における「英語による出題」の配点割合と出題範囲が発表されました。 受験生にとって大きな変化となるこの制度について、解説します。
川野ゼミナールは、公認会計士、税理士試験を受験する学生が少なくないゼミナールですが、この公認会計士短答式試験の一部問題に英語による出題が発表された以降、税理士試験を受験する学生が増えています。筆者が教鞭を執る中堅大学の学生の場合、英語力が高いとは言えず、影響は少なくありません。正解率が80%に達する優秀な受験者の場合には影響がないと思いますが、合格率ギリギリの受験者の場合、合否のリスクは高まることは事実でしょう。
こうした公認会計士試験離れ、また2008年以降のように公認会計士試験離れが「会計離れ」になることを警戒してか、今回の発表では、英語問題の割合を総点数の5〜6%程度と、低く抑えたというのが印象です。
1. 英語出題の配点
全体の5〜6%程度令和9年の短答式試験(第I回・第II回)における英語問題の配点は、総点数の5〜6%程度に設定されます。 対象科目は、財務会計論、管理会計論、監査論の3科目です。 実施当初の受験者の負担を考慮した配分となっており、令和10年以降は実施状況を見ながら段階的に調整される予定です。
2. 出題範囲
基本は日本語と同じですが、「重点項目」あり、英語で出題される範囲の大枠は、日本語の問題と基本的に同じです。 公認会計士の業務と英語の関わりを意識し、会計・監査分野の基礎的な事項の理解が問われます。令和9年試験においては、特に以下の分野から重点的に出題されることが示されました。
【重点出題項目の例】
科目重点的に出題される主な項目(例)
財務会計論財務会計の基礎概念(概念フレームワーク等)、複式簿記の基本原理、資産・負債・純資産の意義、財務諸表の体系、収益認識、連結財務諸表の意義など 管理会計論原価計算の基礎知識、実際原価計算、標準原価計算、管理会計の基礎知識(責任会計、マネジメント・コントロール)、財務情報分析、CVP分析、予算管理など、監査論公認会計士監査の意義、監査人としての要件と職業倫理、監査基準の意義と目的(一般基準・実施基準・報告基準)、監査における不正リスク対応基準など
3. 国際基準の扱い
日本基準と整合する内容について国際会計基準(IFRS)等を参考にするほか、日本基準と重要な差異がある点についても出題される可能性があります。 監査論は 日本の基準と整合する内容について、国際監査基準を参考に出題されることがあります。
4. 今後のスケジュール令和10年以降の指針
令和9年第I回試験の実施後、なるべく早い時期に公表される予定です。英語以外の出題範囲の要旨は、例年通り(6月、1月、4月)に順次公表されます。 今回の発表は、当初の予定を前倒しして公開されました。英語への対応は避けて通れない道となりますが、まずは基礎的な会計・監査用語の英語表現から対策を始めるのが良さそうです。
詳細は下記を参照してください。
令和9年短答式試験における英語による出題に係る配点の割合及び出題範囲について
川野克典のホームページ 
